モバイルサイトへの誘導策として、バナー広告などの他に、メイベリンが実施したユニークな策が、店頭に設置する自社の什器にサイトアクセス用のQRコードを印刷したことだった。量販店やドラッグストアを訪れ、目の前にあるメイベリン製品の購入を検討しているユーザーが、スムーズにサイトへアクセスできるという仕組みである。
メイベリン製品に関心を持っている人でなければアクセスできないとも言えるが、この方法には「ターゲットが関心を持った瞬間を逃さずにサイトに誘導できる」というメリットがある。「単純にアクセス数を増やすことよりも、関心層をピンポイントに見つけ、そこからのアクセスを重視する」という同社の姿勢の現れとも見てとれる。
また、掲載コンテンツ検討の際、「メイベリンに関心を持つユーザー」の間で、同社のテレビCMが非常に高い人気を得ていることに注目した。「このCMをモバイルサイトで活用できないか?」と考えていたところ、2005年、Jストリームが作成・配信していたモバイル動画のデモを見て、十分なクオリティを感じた。
「想像以上のクオリティに、可能性を感じました。このクオリティであれば、十分に内容を伝えることができますし、文字以上のインパクトを与えることができます。また、字幕と併用することで説明を加えたり、映像をフックに新たな情報を提供できる点も、魅力ですね」
モバイル動画は、化粧品メーカーにとっても十分な再現性を持ったクオリティのものだったのである。
また、テレビのために制作された映像が、「モバイル動画」となることで別の価値を持つこともわかった。テレビCMは2週間間隔で更新されるが、期間後も携帯電話向けに配信することで、ユーザーへのフォローが可能になった。また、偶発的、受身的なテレビのCM視聴スタイルと異なり、常に自分の好きなタイミングで確実にCM映像を見てもらえることも大きなメリットだった。さらには、小さな画面で見ると、それだけで親しみやすさが増すようにも感じた。
さて、企業プロモーションにおいて、モバイル動画配信の実施に際して、懸念されることに
「エンドユーザーの携帯電話が映像などの動画コンテンツ再生をサポートしているか?」
「動画視聴に伴うパケット代がどれほどの負荷になるものなのか?」
という点があるが、メイベリンでは、調査データ等から環境は整っているとの判断をした。
例えば、インプレス刊「ケータイ白書2006」によると、動画ダウンロード機能付き携帯電話の保有率は約67%、なかでも10代女性の間では保有率87.6%とのことで、動画を再生できる3G携帯電話は十分に普及している(図1)。また、パケット代に関しても、2005年パケット定額サービスの利用率は、前年比220%近い伸び率を見せている(図2)。「時代の追い風」を受けて、同社は2005年12月、CM映像のモバイル配信に踏み切ったわけである。
ケータイ白書2006 ©impress/Mobile
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![図2 パケット定額サービスの加入状況[2004年-2005年]](20060328/img/image02.gif)

